弊所に最も依頼や相談が多いのが【日本全国+人口集中地区・人物から30m未満】の申請パターンです。
空撮を業務で行う場合、急な依頼もあるでしょうし、どこで空撮を行うのかは依頼が来るまではわかりませんから、日本全国のドローン許可を持っていれば安心だ!
というのがその理由です。
ドローン許可申請は、申請の込み具合によって申請から許可証の発行まで、1か月以上必要になるケースもありますから空撮業者の方がそう考えるのは至極当然です。
しかし、この「全国包括許可」を「全国どこでも自由に飛ばせる」という風に勘違いされている方がけっこう多くいらっしゃいます。
この全国包括許可は、なんの気兼ねなくどこでも自由にドローンを飛ばせる。といことではないので注意が必要です。
もくじ
包括といっても、人口集中地区を全国的に飛行できるだけ!
日本全国の包括許可といっても、それは人口集中地区(DID地区)の中でのお話です!
ですから、日本全国の包括許可を持っていたとしても、空港周辺地区や高度150m以上をドローンが飛行する場合は、別途ドローン許可申請が必要になります。
じゃあ、空港周辺も全国包括申請をお願いします!
これも弊所にご相談いただく中で非常に多いケースです。
確かに、そちらの方がドローンを飛ばす方としては便利なのですが、空港周辺や高度150m以上の飛行の場合は一括で全国包括申請をするというのは認められていません。
なぜ?全国包括申請が空港近辺と150m以上ではできない理由
そもそもドローン許可申請という制度の中で、空港近辺と150m以上に関しては、包括申請を想定していないのが1つ大きな理由でしょう。
人口集中地区の場合は、全国どこの人口集中地区であったとしても、申請先は国土交通省です。
一方、空港周辺や150m以上の場合の申請先は、飛行場所を管轄する「各空港事務所」です。
審査機関が日本全国バラバラですから、空港周辺や150m以上の場合は、一括して包括申請ができないということでしょう。
もちろん、各空港に設定されている進入表面等は空港ごとに違いますから、一元化できないでしょうし、そのような許可を認めると非常に危険ですね…
全国包括許可を持っていても、空港周辺や150m以上の飛行の場合は、別途ドローン許可申請が必要だ。という事は覚えておきましょう。
他法令のチェック・公園等のルールのチェック(条例や規則等)・土地等の管理者の承諾も貰いましょう!
例えば、全国包括申請の許可を持っている場合、許可承認の内容に則りドローンを飛行させることは合法です。
しかし、他の法令にも注意が必要で、例えば【国会議事堂、内閣総理大臣官邸その他の国の重要な施設等及び外国公館の周辺地域の上空における小型無人機の飛行の禁止に関する法律】(いわゆるドローン飛行禁止法)というものがあったり、公園等で飛行させる場合は、条例や規則でドローンの飛行を禁止している場合があります。
許可を持っているといえど、あくまで航空法の中だけのお話ですので、他法令を犯しての飛行は立派な違法行為となってしまいます。
飛行の際にはこの辺りの事前調査もしっかり行いましょう。
また、飛行の際にはその飛行場所の土地等の管理者の方に承諾をもらっておくようにしましょう。